Break a leg!!

とあるご提案をいただきまして人前でダンスを披露する機会があったのですが、その本番最中にアキレス腱を切ってしまいました。
動画の撮影は行っていなかったので、その時何が起きていたのか検証ができません。なので記憶を頼りに状況を整理してみようと思います。

おそらく曲が始まってから1:00過ぎたくらい。突然転倒しました。最初は「右足を何かにぶつけたのか」と思ったのですがよくわからない。衝撃と音は感じたので「ぶつけた」と思ったんじゃないかな、と推測します。
立ち上がってはみたものの、直後からルルベは全くできないし、スッテプを踏む度に痛みが走る。でも曲は流れてます。この時点で曲を止めることもできたのでしょうけど、それは全く考えなかったですねえ。

では何を考えていたのか、というと「どの動きがダメで、どの動きなら可能なのか」を考えてました。まずできないと判断したこと。

①右足のルルベが全くできない。
②左足を踏み出すときに、右足のつま先に体重を乗せられない。

できると判断したこと

①上半身の動き全て
②右足踵に重心を置いたままのステップ&移動

1:30以降に振り付けたルルベの動きは左足含めて全てアテールにして、移動は骨に乗る事を意識してなんとか最後まで踊り切ることはできました。見ていた方々には喜んでいただけたようで、良かったです。
が、時間が経つにつれ、ぶつけたにしては徐々に痛みは増す一方で、腫れも感じるようになってしまいました。
また受傷したタイミングも悪く、その日は日曜日。そして翌日は祝日。火曜は近隣の整形がお休みということで受診は水曜日となりました。
この頃になると、ぶつけたと思っていたふくらはぎに内出血が現れず、足首全体に現れ始めました。
自分でも「きっとそうだろうな」と心の準備をしていましたが案の定、医師から「右アキレス腱断裂」との診断を受けました。同時に、保存療法か手術をするか、の選択を迫られました。また、手術は保存療法と比較して再発リスクが低く、リハビリを始められるまでの期間は短い。と医師から説明がありました。

今まで小出は、踊っていて怪我をした経験ってほぼゼロで、唯一ダンスを始めた年に左足首を捻挫したくらいしかありません。時々ギックリ腰とか、首の筋をやってしまったりはありますが、動けなくなるような大きい怪我ってなかったんですよね。
決断を先送りにすることもできませんので、手術することを選択しました。もちろん、受傷前と同じ可動域に戻る保証もありませんし、心理的に動きの制限をかけてしまう可能性があることも考えました。とはいえ、まずは一刻も早く復帰することが大事ではないか、との判断です。
今度の月曜日に入院。火曜日に手術です。退院は「3〜4日後」と言われていますが、こればかりは医師の判断によるので何とも言えません。

唯一の救いかな、と思えるのは、実際に披露している最中に事が起こったということです。ダンサーとしては本望なのかなと、今では思えています。
日々の訓練がまともに行えていないのに、以前の感覚で踊った不注意が原因。ではあるのですが、例えば日常動作中とか練習中での受傷であったなら、もっとやるせなかっただろうと思います。

ふと、海外を廻って舞台を行っていた時期の事を思い出しました。現地のプロデューサーや仲良くなった他のパフォーマーから、開演前に

Break a leg!

と声をかけられていたなあ、と。
直訳すると「足を折れ」なのでこれから舞台に立つ身としては物騒極まりない。初めは意味が分かりませんでした。しかしよくよく話を聞いてみると、実際には「成功を祈るぜ!」とか「いいパフォーマンスしてこいや!」みたいな感じです。

とまあ、いろいろ不安はありますが、入院当日病院へ行く前に、こっそり「Break a leg!」と紙に書いて出かける事にしようと思います。