このブログを読んでくださっている人は、既にジャズダンスをやられている人が大半だと思います。中にはレッスンを始めて3ヶ月の方もいれば、「プロダンサー目指してます」という人もいるでしょう。
ダンスへの関わり方は人それぞれありますが「今より少しでも上手くなりたい!」という意欲のある方へ向けて、どうすれば確実にレベルアップしていけるかを書きます。
ジャズダンスレッスンを習慣化する
「1日練習を怠ると、取り戻すのに3日かかる」といった言葉をどこかで耳にしたことはありませんか?
楽器を練習したり歌を習ったり、あらゆる芸事を極める上で言われることですが、ダンスもまた然りです。
継続的に身体を動かしてますと、レッスンを1回おやすみしただけでも、感覚の狂いがわかるようになるんですね。これは自分の体に対する視野が養われてきた証拠といえます。
このように、上手くなるための土台は、自分の身体を知ることから始まります。そのために習慣化が欠かせません。
小出が敬愛するノムさんこと、野村監督はこう仰られてました。
習慣にしてしまうこと。それが努力し続けるコツ
ではあなたの習慣は、毎日でしょうか、週3回でしょうか。「いやいや、仕事が忙しくて週一回が限界ですぅ」という方もおられるかもしれません。みなさん、各々に状況や事情がありますよね。
いちばん大切なのは、あなたが継続できることです。そりゃあ毎日2時間3時間レッスンできれば上達も早いでしょう。けれど、継続できなければ習慣とは言えません。
週1回でも良いんです。大切なのは、そのペースを持続できること、です。
一度でも多くステージで踊る
「ジャズダンスが上手くなる」という現象は、フィジカルの強さやテクニックの洗練さを追求すれば現れるのでしょうか。小出は「それだけではない」と考えています。
日々の練習では訓練できないけれど、上達に欠かせない要素は確実に存在する。
それは、移動や共演者との絡み、立ち方や魅せ方です。
ステージ用に創られた振りは先述の要素が多く含まれています。もちろん一度振り付けをしただけで本番、なんてことはありませんよね。身体に覚え込ませる為の時間が必要です。そして、いざ本番となった場合にはお客さんへの意識も必要となります。
これらは日々の練習では習得できない。小出も「100回スタジオで踊るよりも、1回舞台に立て」などとよく言われたものです。
ステージに立つチャンスを逃さず、勇気を振り絞ってステージで踊る。是非実践してみてください。
実力が上の人と一緒にレッスンする
じつは、実力って「引き上げられるもの」だと思ってます。もちろん、個人の試行錯誤や取り組みによって道が開ける事はあり、とても大事です。しかし、自分の身体に入っていない動きや使い方は、そもそも自分では生み出せない。
まず目から視覚的に入ってくる動きを真似して、繰り返し訓練することによって、次第に身体がついていくようになるものです。
少し長くなりますけど小出の体験談をしましょうか?
僕は元々、オープンレッスン生としてダンススタジオに通っていました。朝からバイトして夕方に上がり、19:00から始まる90分のレッスンを每日2コマ受けて帰宅する。雨の日が続いたりすると洗濯が大変だった。そんな日常と思ってください。
ある日のこと。スタジオに存在していた劇団から、オーストラリア公演参加のお声がかかります。願ってもないことでしたから、当然参加しました。でもその時はまだオープン生としての参加です。
しかし半年後。フランスのアヴィニョンと、スコットランドのエジンバラ公演にあたっては、正式に劇団へ所属することになりました。それに伴い、「昼の劇団練習へ参加するように」とのお達し。以後、師と仰ぐ方の指導(とはいえクチではあーせいこうせい、とは言わないお方でしたが)を受けることになります。
まるで世界が違いました。それまで、オープンレッスンで「先生」だった人たちや、スタジオのライブなどで顔を合わせて「凄いなあ上手いなあ」と憧れ、一種畏敬の念を抱いていた人達、そんな中で一緒にレッスンすることになったのですから。
練習はハイレベルです。音楽好きを自覚している小出ですが、バーレッスン時にかかるピアノ曲が流れただけで気分が悪くなるくらいです汗。
体育会系的なノリの練習ではないので、できなくてもペナルティを課せられるわけではありません。でも惨めにもなりますし、自分に腹も立ちます。だって、にんげんだもの←みつを。
ところが、半年を過ぎた頃から変化が起き始めました。
かなり難しいバレエの動きも、危なっかしくではありますがつなげることができたのです。練習後に、先輩から言われた言葉は今でもハッキリ覚えています。
「今日の振りは私でも難しいと思ったくらいなのに、祐司さんあんなのできるようになってて驚いた」
そういうものです。
レッスンを受ける側としては、なるべく少人数のほうがいいと思う気持ちは当然だと思います。しかし、多くのダンスレッスンがある程度の人数をキープしつつ行われる理由はここにあると思っています。
つまり、実力が拮抗しているところで練習しても、なかなか上手くならない。実力が上の人達に混じって、ヘマをしようが何しようがついていくと知らない間に別次元へ到達できます。
徒然草には「芸事の上達」について書かれている
兼好法師は徒然草でこんな事を書いています。
これから芸事を身につけようとする人は、とかく「ヘタクソなうちは誰にも見せたくない。
こっそり練習して、ある程度見られるようになってから披露するのがカッコいい」と言うものだけど、そういうことを言っている人が最終的にモノになった例はひとつもない。まだ未熟でヘタクソな頃から、上手くてベテランな人たちに混ざって、バカにされて笑われて、それでも恥ずかしがらずに頑張っていれば、特別な才能がなくても上達できる。
道を踏み外したり、我流に固執することもないだろう。そのまま練習し続けていれば、そういう態度をバカにしていた人たちを遙かに超えて、達人になっていく。人間的にも成長するし、周囲からの尊敬も得られる。
現代語訳はここのまとめサイトから引用させていただきました。
700年前に書かれた書物なのに、現代でも当てはまりますよね。
一応断っておきますが、あなたの目指す到達点はどこでもいいんですよ。プロのダンサーになるつもりでなくたっていい。単に「踊るのが好きだから」でも良いのです。でも、上手くなりたい、テクニックのみならずダンスに関わるあらゆることで「向上したい」と思う気持ちは誰しも同じじゃないでしょうか?
ちなみにダンスレッスンでは初級、入門、或いは上級などと銘打ってレベル分けを行うことが多いですが、あれってじつは教える側の都合が大きいような気がしてます。
スタジオの運営って、極限まで突き詰めれば「営業」ですから。実力の伴わない人の為にレッスンのレベルを下げると、デキる人から不満が生まれるのです。それを避けるためにレベル分けをするのだと思ってます。
そこへきて小出の開催しているレッスンは、上に合わせます。下げません。圧倒的に上目線です。
とはいえ、できないからといって懲らしめたり、痛めつけることはないですよ念の為。
是非体験レッスンにいらしてください。
お問い合わせ、お申込みはこちらからどうぞ。
※2020年4月18日に類似エントリーと併せ、目次を追加