ジャズダンスのピルエット。上達に向けて改善したい3つの症状。

先週書いたこのエントリー「ジャズダンスのシェネ。上手く回れない時の4症状とその解決方法」に気を良くしたので、今度はピルエットについて書きます。ジャズダンスの醍醐味でもあり、見せ場でもあるピルエット。できないと非常にやきもきするピルエット。みんなみんな生きているんだピルエット、ともだちなんだ。気持ちは十分過ぎるくらい解ります。ジャズダンスを始めて、誰もがぶち当たる壁です。みんなその壁を乗り越えて2回転、3回転とモノにしていくわけだが、この壁は相当に高いです。とりあえず壁を乗り越えて、コンビネーションの中で2回転をスムーズに成功させる事ができれば、まあ不自由はしないでしょう。なので、2回転の成功を目標とします。小出個人でレッスンを開催するようになってから、もうすぐ1年半。ピルエットの練習時、あるいはコンビネーション時。参加メンバーの動きを見ていますと、ピルエットを回れてない時は、共通した症状がある事が浮き彫りになってきました。それを文章で書きます。大別すると主に3つです。

・軸足が僅かに床から離れる。或は離れそうで「トントン」する。
・パッセの足が軸足から離れる。或は腕の位置が一定しない。背中が反る事が度々ある。……など流動的な身体の使い方でバランスを崩している
・2回転目以降に首がついていない。

そしてこれら3症状について、

【症状】
◯考えられる原因
①チェックする身体の状態
●試してみるべき解決方法

を順を追って、文章で書いてみます。これは小出の文章力を計る上でも絶好の機会だわっ。

【トントンする】

◯考えられる原因
・昔板前をやっていた頃の話。賄い当番になった時は食材を買い物に近所の西友まで出向いていました。生成食料品売り場には「ソフトントン」なる豚肉が売っていましたね。ロースの20mm切りとかです。ナイスネーミング大賞モノですが、それは余談。今の話題はトントンする。これはつまるところ、一瞬の間、床から軸足が離れてしまっている、または離れる寸前であると考えられます。回ろうとするあまり、重心が上がりすぎている事が原因です。
①重心が浮いていないか?
②軸足で床を感じられているか?
このケースの解決方法を示す前に、少し設問をします。まず「あなたの体重は何キロでしょう?」自分の頭の中でデジタル表示してみてください。流し読みして先に進もう、などと思ってはいけません。明確に◯◯.◯kgと思い浮かべる。……表示されましたか?さて、次です。あなたの身体、上半身は何kgで、下半身は何kgでしょうか?(今回は単純に、おへその辺りからバッサリと椿三十郎にぶった斬ってもらいましょう)さて、どうなるでしょう?一寸考えてみてください。
仮に60kgの人だとしたら、上半身は36kg。下半身が24kgくらい。
(※頭部を含めると上半身の方が重くなります。上半身と下半身の境目は、厳密には定義できないそうですが「上半身の重さ:下半身重さ=6:4」とした計算です)
これって結構驚愕の数字じゃあありませんか?だって上半身が36kgですよ奥さん?!スーパーマーケットで売っているお米、5kg入りの袋約7つ分です。……そんなもの、いっぺんに持ち上げられるでしょうか?いやいや、一般人では到底無理でしょう。ところが下半身は、常に36kgもの重さを支えているのです。勿論ダンスをしている時も下半身は頑張っています。「重心が浮く」という状態は、上半身の重さを見失っている状態と言えます。
・上半身の重さを感じる。
 話が遠回りしましたが、「トントンする」についての解決方法です。プリエした状態(踵が床に着いていて、なおかつ膝が曲がった状態)、そこから膝を伸ばす動きの全てにおいて、上半身の重さを感じながら基礎訓練を行うのです。36kgの上半身を下半身が持ち上げる感覚です。日常生活に於いて、上半身の重さを感じる機会はなかなか得られない。よって、基礎的なエクササイズの中で養うより手はありません。
・軸足で床を押す。
前回のエントリーでシェネのコツとしても書きました。床を感じる事はピルエットでも同じです。自動車のアクセルを踏む感覚でぐぐっと床を押します。ルルベする時に押し続けます。床を押す感覚を養う事によって、軸足の親指の付け根が床から離れそうになるのを押さえつけるのです。運転免許をお持ちでない場合はそうですね……海水浴場で使うようなポンプ式の空気入れありますね。ボートや浮き輪に空気を入れるあれです。

そう、これこれ。コイツを踏み踏みする感覚ですね。ルイジでもバレエのバーでも良いので、基礎練習の時に意識してみてください。

【パッセの足が軸足から離れる。或は腕の位置が一定しない。背中が反る、など流動的でバランスを崩している】

◯考えられる原因
・自分に最前なポジションが染み付いていないと考えられます。
①腕は今、どの位置にあるのか?脚はどれくらいの高さまで上がっているか?背中は反っていないか?などあらゆる部分を鏡、或は内側からチェックする。ココで注意したいのはチェックするだけ、という事です。その場で修正しようとしない方が良いです。稽古だから、といってやり直しを容認する取り組み方は、知らず知らずのうちにあなたの心に逃げ場を作ります。これは小出の実感値としてひしひしと感じるので付け加えておきます。
ダンス的な身体の使い方に慣れる。
自分にとって最適なポジションが見つかると、身体の方が勝手に反応してくれるようになります。つまり、最適なポジションをとらなかった場合、気持ち悪くなってくるのです。そうなるとしめたものです。

【2回転目に首がついていない】

◯考えられる原因。
首と上半身の動きが連動している為、自分の正面が把握できていない、と考えられます。
①2回転目以降、鏡に映った自分と目が合うかどうか?
②なんとなくつけていないか?
・まず首をつける!
以下はレッスン中に行っている首をつける為の練習です。やり方は両足を揃えて立ち、足はパタパタと小刻みに動かして時計回りをします。4カウントで1回転。つまり8カウントで2回転です。

カウント=1、2、3、4、5、6、7、8、
首の瞬間=◯、◯ 、◯、◯、◯、、◯、

カウントと首をつける瞬間を図にすると上記のようになります。「1、2、」までは首より下だけが回転しています。顔は正面を見ていてください。ちょうど、左肩に自分の顎が乗っている。そんなイメージです。「3」で首が回転します。ヌラ〜とぼんやりつけてはダメです。「3」にピッシーッ!とつけます。この首をつける練習で「首をつけるってどういう事なのか?」を理解したらピルエットの練習本番です。小出のレッスンで行っている練習は4カウントで準備(Preparation)。4カウントで回転となります。左足軸の時計回り、2回転の場合、カウントの関係は以下の通りです。

カウント=1、2、3、4、5、6、7、8、
首   =ーーー準備ーーー、
着地の足=            右、左、

首はANDのカウントに入ります「5、6、」の「、」にあたる部分です。
身体と、首の動きを分離させる。
これはちょっとした「コツ」のようなものです。一度身体に染み付いてしまえば、ほぼ無意識に繰り出す事ができます(油断するとキレは落ちますが)。なぜならダンス的には、首がついていた方がより自然だからです。首をつけるこそピルエットのキモであると言えよう(←偉そう)

ダンスに適した身体へ進化させれば、いずれ……。
 以上の3要素の内「原因はひとつだけ」という事はまず考えられない。必ず複数の原因が重なっています。ところが、人間なんてララーラーララララーラー。そんなに器用ではないですね。いっぺんに試みても上手くいきません。ではどうしたら良いのでしょうか?小出の提案はシンプルです。それは「常に身体を最大まで、大きく使う事」であります。そして毎回の稽古で、いずれかひとつで良いです。解決方法を頭の片隅に置いておく。次の稽古も「身体を最大まで使う」。解決方法を入れ替える、試行錯誤する……Endless.そういった地味な積み重ねで、自分の身体を進化させる。すると「あれ? 今2回転できてたかも?!」という瞬間が訪れるのです。

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